callistoとArkas

私たちのアートピースのクマには、

callisto(カリスト) と Arkas(アルカス)
という名前があります。

その名は、ギリシャ神話に登場する母と子の物語から…

カリストは、
女神アルテミスに仕えるニンフ(精霊)でした。

純潔を守る誓いを立て、
森で静かに暮らしていたといわれます。

しかし、大神ゼウスは彼女を見初め、
力強い愛を押し付けました。

そこには神の欲望と、人間の弱さが交錯していて、

彼女の選択では抗えない出来事でした。

その結果、カリストはアルカスを身ごもります。

やがて真実が知られると、
ゼウスの妻へーラーの怒りに触れ、

彼女は熊の姿へと変えられてしまいます。

人としての顔を奪われ、
森をさまようことしか許されない存在に。

そしてその子が、アルカス。

年月を経て、成長したアルカスは、狩人となり、

森で一頭の熊と出会います。

それが母カリストだと知らぬまま、
弓を構えてしまったのです。

悲劇の一瞬を見て、ゼウスは二人を哀れみ、

母と子を天に引き上げました。

夜空に輝く大熊座と小熊座。

そこにようやく、母と子は離れることなく
寄り添うことが許されたのです。

この物語は、
愛と欲望、怒りと赦し、変化とつながり――

相反するものが共存する神話の姿そのものです。

cizasiを象徴するクマの名前は、
この物語から生まれました。

汚れや影を抱えながらも、夜空で寄り添う光のように。

作品には、
「変化」と「つながり」への願いを込めています。